医師であり経営者として迎えた更年期

不安にさいなまれ、若年性認知症かと悩んだことも・・・・・・まのえいこさん(60歳)

仕事をバリバリこなし、休日もゴルフざんまい。自他共に認める元気な行動派だつた美容皮府科医のまのえいこさんが、最初に不調に襲われたのは49歳のときでした。

「まずドライアイの症状が出たと思ったら、その後、声がかすれて出にくくなりました。美容皮府科では、思者さんにスキンケアや薬の説明など伝えることがたくさんあるのですが、声を出しづらいので、それがままならなくなり、すごく大きなストレスになりました」

程なく、ごく最近の約朿を忘れたり、集中力の欠如といつた症状も表れ始めました。新間を読んでいても文脈が理解できず、気がつけば同じ文章を何度も追つている。「若年性認知症になったのでは」という不安に襲われたといいます。

カルテの記入などに不備があってはと心配になり、症状をスタッフに正直に伝えて細心のフォローを頼んだといいます。

体調や仕事への心配は当然ありましたが、「一番つらかったのは、訳もなく不安になることでした」とまのさん。「仕事もやっているし生活もちゃんとしている。不安なんてない。理屈ではそう分かっていても、常に理由の分からない不安にさいなまれ、『私なんてダメだ』と落ち込みました」

うつ病ではないか、と抗うつ剤も処方してもらいましたが、まるで効きません。海朝ベッドから起き上がるのも苦痛で、仕事への自信も失っていきます。でも、クリニックは医師がいなければ動かない。任せられるところはスタッフに委ねましたが、それでも気分がすぐれず、座っていることさえつらいという日も。そんなときは、短い空き時間に診察用のベッドで横になりながら「なんとか診療をこなしていた」と振り返ります。

3力月悩んだ症状が小さな錠剤で2時間で解消

つらい症状に苦しむ日々は3力月ほど続きましたが、まのさんの場合、最終的にはホルモン補充療法(HRT)に行き着きました。「小さな錠剤を初めてのんだとき、30分もすると目の前に垂れこめていた霧が晴れていき、2時問後には『ああ、生き返った!』と実感しました」

自身が重い更年期症状に見舞われた経験から、「更年期の通説に疑問を持った」とまのさんは言います。「更年期障害は神経質やネガティブな人がなりやすいという見立てをする医師も中にはいるようですが、それは違うのでは、と思うようになりました。だって、超がつくほどのポジティブ思考のこの私がなったんだもの」(笑)。充実した私生活を送っていても、更年期障害になる人もいます。「女性ホルモンが減っていることで引き起こされている、そういう問題なのだと私は思ってます」

また、外で仕事をしているほうが忙しさに紛れて不調を感じにくいと言う人もいますが、「女性ホルモンが減ったことで引き起こされる症状なので、専業主婦でも働く女性でも同じ」と、まのさん。

しかし、こう続けます。「働いている女性のほうが時間などの自由がきかないという点では大変かもしれません。更年期世代の女性は責任あるポジションを任されているケースも少なくないので、どんなに体調が悪くても簡単には休めないのが現実ですから」更年期障害は症状も重さも個人差があり、最適な治療法も違ってきます。まのさんは「しっかりと話を開き、自分に合つた治鍛を考えてくれる医師を探してみて。つらくても仕事を休めないという女性だからこそ、一人で苦しむのではなく、医療の力も利用すべきです」とアドバイスしてくれました。

つらい経験でしたが、患者の苦しみを理解できるようになつたという点で、「医師として得雖い経験をした」と言います。そして、自分の心や体の声に耳を傾け、時にはのんびりと一人旅にも出かけるょうに。

「これまでのがむしやらだつた人生とは違う、豊かな時問を過ごしています。更年期を経て、本当の大人の女性になれた——。今はそんなふうに思っています」

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