ホルモン補充療法の副作用が、心配なのですが

・副作用でがんになる心配はほとんどありません。

・生理のような出血がある場合もあります。

・個人差がありますが、まれにかぶれなど皮膚が弱くなる場合があります。

現在のホルモン補充療法に副作用はほとんどありません。

すでにお話ししたように、1960年代にホルモン補充療法が始まったときにはがんの副作 用が問題になりました。

ホルモン補充療法と聞くと「がんになりやすくなるのでは」と不安な気持ちになる人がいるのは、このことを思い浮かべるからではないでしょうか。確かにエストロゲンだけを投与するホルモン補充療法には、子宮がん(とくに子宮体がん)や乳がんが発生しやすくなるという副作用がありました。

このため初期のエストロゲンのみのホルモン補充療法は一時下火になったのですが、その後研究をすすめた結果、エストロゲンとプロゲステロンとを併用することでがんのリスクは低くできることがわかりました。

現在はこの二つのホルモンを投与する方法がホルモン補充療法の主流になっているので、あまり心配はないでしょう。

ホルモン補充療法によって既往症によくない影響があったり、悪化の可能性があって、最初から投与ができないケースについては、前の文章で詳しく解説していますので、そちらをご参照ください。

また副作用とはいえませんが、「周期性投与法」や「持続性投与法」によるホルモン補充療法を始めると、ほとんどの人に不正出血が見られます。「周期性投与法」では生理のように毎月出血があります。

そのため、「妊娠しませんか?」と聞かれることもありますが、実際に排卵があっての生理ではなく、人工的に生理に近い状態に体内のホルモン環境を維持している状態なので、妊娠の可能性はありません。

ホルモン補充療法で出血するのは、エストロゲンとプロゲステロンによって子宮内膜が増殖したりはがれたりするためで、卵巣の機能が復活したわけではないのです。卵巣が働いていなければ排卵はありませんし、妊娠することもありません。

また「持続性投与法」でも、たとえば生理のような出血があったり、茶色や黒っぽい出血があったりします。ふつうは半年ほどたつとほとんど出なくなるので、あまり気にすることはありません。

ただし半年後も出血の量が多いときは、ホルモンによって子宮内膜が増殖している可能性があります。このような場合にはホルモンの量を減らして出血の量を減らしたり、止めたりすることができます。

私の場合、患者さんとよく相談して薬の服用を休む日を作ることもあります。またエストロゲンをやめて、作用の弱いエストリオールに切り替えることもしています。

出血があるとやはり不安になる人もいますが、ホルモン補充療法を始める前に、ほかに病気がないかを十分に検査しますので、心配はありませんし、その後も念のため半年ほどしてまた検査します。

「せっかく生理がなくなってすっきりしたのに、また毎月ナプキンをあてなくてはならないのかしら」と不満に思う人もいます。そういう患者さんには「更年期障害のつらさと、数日間の出血のわずらわしさとどちらを取りますか」と聞いて、自分で決めてもらいます。

ただ更年期症状の一つとして皮膺が弱くなり、ナプキンにかぶれてしまう人にはクリームや軟膏などを処方します。

また出血時に生理痛や生理前のいらいらを感じる人もいるようですが、一般に若いころよりは程度が軽いようです。

ホルモン補充療法は卵巣に悪い影響があるのでは、と心配する方もいますが、ホルモン補充療法は卵巣の機能が衰えるか停止してから行いますので、卵巣に悪影響が出るということはありません。

もちろんホルモン補充療法をやめたからといって、禁断症状が出たりもしません。心配なようでしたら、婦人科でよく相談してからホルモン補充療法を受けるようにしてください。

Be the first to comment

Leave a Reply

Your email address will not be published.


*